その反骨精神溢れる生き様から、海外では今なお根強い人気を誇る、伝説の英雄「ロビン=フッド」。ゲームや映画、文学作品のモデルになることも多いので、名前だけは知っているという方も多いのでは?

さて、今回は、そんな英雄「ロビン=フッド」の活躍を描いた不朽の名作「ロビン=フッドの冒険」をご紹介します。

これを読むだけで、関連作品の鑑賞が、2倍も3倍も面白くなりますよ!

 

ロビン=フッドの冒険

ロビン=フッドの冒険

書誌情報

  • タイトル:ロビン=フッドの冒険
  • 著者:久松文雄
  • 初版発行:1970年

ロビン=フッドの冒険のあらすじ

栄誉ある騎士の家系に生まれたサクソン人少年のロバート。しかし、今はノルマン人の王に虐げられ、しかも母の病のために生活はいよいよ苦しい状況だった。

必死に育てた野菜も鹿に食われ、しかもその鹿は王の「持ち物」であるため狩ることも禁じられた状況だったが、母が亡くなったことで彼の怒りは爆発、鹿を弓矢で仕留めてみせた。

だが、そのためにお尋ね者になったロバートはシャーウッドの森に入り、そこでタック坊主やリトル・ジョンと出会い、戦士としての修練を積み、やがてはロビン=フッドとして、誇り高い義賊として活動していくことになる。

抜群の腕を持ち、しかも派手に動き回りながらも一度も兵の手にかからないロビンの存在は、いつしか苦境にあえぐ「庶民の英雄」として知られるようになっていく。しかし、その首には多額の賞金がかけられたことから、無法者たちの格好の標的にもなっていくのである。

ロビン=フッドの冒険のおすすめポイント

伝説的な英雄として知られる「ロビン=フッド」ですが、世界的な知名度に反して、日本での知名度はそれほど高いとは言えません。

そんな状況にあって、彼の英雄譚を少年向けに練り直した本作は、まさしく入門編としてうってつけの一作となっています。

なお、ロビンたちの暮らしぶりから垣間見える、産業革命や大航海時代よりもずっと前の、中世暗黒時代のイギリスの空気感も本作の魅力の一つ。歴史読み物としても楽しめそうです。

手頃なボリュームかつ、ストーリ―のテンポも良いので、普段は古典を敬遠しているという方にも、安心しておすすめできる作品に仕上がっています。

ロビン=フッドの冒険を読む