恋愛、スポーツ、夢、友情――様々な要素を担いうる青春漫画は、まさに漫画の王様!

この記事では、クレイジーで読める青春漫画の中から、珠玉の名品を選りすぐってご紹介します。

ときめきだらけの展開に、読み始めたら止まらなくなっちゃうかも?!

 

ブルックリン橋をわたって

ブルックリン橋をわたって

書誌情報

  • タイトル:ブルックリン橋をわたって
  • 原作・作画:倉科遼・ハヅキ
  • 初版発行:2017年10月

ブルックリン橋をわたってのあらすじ

同名映画のコミカライズ版。舞台は大都会ニューヨーク、主人公の日本人の高校生の女の子は父親とニューヨークで暮らしていた。

ニューヨークではあまりうまくやっていけず父親ともけんかばかりしていた主人公だが、ある日、父親から行くことを禁じられていたブルックリン橋の向こう側へ足を踏み入れることになる。

その新しい世界で様々な人と出会い、多くの経験を重ねることで、主人公は次第に成長し、変わってゆく。

ブルックリン橋をわたってのおすすめポイント

少女の成長物語が丁寧に描かれており、非常に読後感の良いものになっています。

ストーリーのテンポもよく、読み手を飽きさせない内容になっていて、一気に読むことができます。

また絵の方もとてもきれいで、繊細な構成のストーリーだけでなく、絵の方の魅力も存分に楽しめるのではないかと思います。

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SEWING

SEWING

書誌情報

  • タイトル:SEWING
  • 著者:柳沢きみお
  • 初版発行:1983年9月
  • ISBN:978-4253041010

SEWINGのあらすじ

どこにでもいるような平凡な高校生、谷津は、人とは少し違った夢を持っていた。それはファッション・デザイナーになることだった。

夢のために専門学校に進学することを決めている谷津は、学校の洋裁部に入ろうとするが、女子ばかりの部であるため尻込みしてしまう。

しかし、そこで親友の須藤が、洋裁には興味がなさそうなのにも関わらず、付き合ってくれたため、谷津は洋裁部に入部。部員たちとの交流やアルバイト、バイク教習と青春を満喫していく。

もちろん、学校の授業をこなした上でバイトをやり、部活にも顔を出す生活は楽ではないが、そうした日常が谷津に「大人」の視点をもたらし、ここ数年間まともな会話がなかった父親からも応援して貰えることになるなど、家族関係の前向きな変化ももたらすのだった。

SEWINGのおすすめポイント

いわゆる夢を目指す系の漫画となると、どうしても話題がそのテーマ一筋になりがちです。しかし、本作はあくまで普通の高校生・谷津が、日常や学校の一環として夢を目指すというスタンスを保っているので、作品全体に余裕が感じられるのが好印象です。

また、青春を謳歌する中でも、バイク免許を目指してみたり、その資金を得るため新聞配達を頑張ってみたりと、少年の苦労と成長がリアルに描かれている点も面白かったです。

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唇にフォービート

唇にフォービート

書誌情報

  • タイトル:唇にフォービート
  • 著者:村生ミオ
  • 初版発行:1985年1月
  • ISBN:978-4821191086

唇にフォービートのあらすじ

大学のジャズ研に所属するケースケ。

サークル内ではリーダー的な地位にいるケースケだが、先輩の音から影響を受けすぎてコピーのようになってしまい、今ひとつオリジナルの味を出せない状態に悩んでいた。

しかし、そんなある日、ケースケたちの前に、どこか影のあるミステリアスな美女・涼子が現れる。ケースケたちのややマニアックな会話にも食いついてくるなど、急速に打ち解けてゆく涼子。

一方、先輩の音のコピー状態から逃れられないケースケは、意気投合した涼子とともに「合宿」へ向かうことに。

もっとも、運動部の強化合宿などとはほど遠い、半分遊びのような合宿ではあったが、夜の海でケースケは涼子と、思い出深い経験を共にするのだった。

唇にフォービートのおすすめポイント

主に大人の恋愛や内面を描いてきた村生氏が描く、若者たちのちょっと変わった恋と日常の物語。普通のラブコメ作品と比べて、いい意味でひねりが効いた作品が多く収録されています。

表題作の「唇にフォービート」はジャズに熱中する若者たちということで、執筆当時の世相を感じられるだけなく、自分の音を追求するケースケたちのひたむきさが印象的です。

また、「情熱! オンリー・ユー」では、週末だけ女装して弾ける「男の娘」を描くなど、今に通じるような先進性もあったりして非常に意外なワクワクが楽しめます。

全体的に青春のエネルギーと明るさを感じる作風で、読後感が爽やかなのも高評価です。

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勝手にジャンキィロード

勝手にジャンキィロード

書誌情報

  • タイトル:勝手にジャンキィロード
  • 著者:萩原玲二
  • 初版発行:1990年11月
  • ISBN:978-4884754846

勝手にジャンキィロードのあらすじ

主人公は麻雀好きの高校3年生・紅一。

ある日のこと、紅一はいつものように麻雀を楽しもうとするが、その日は肝心のメンバーがなかなか集まらない。結局相手が見つからず、一人とぼとぼと帰宅する紅一。

家に帰る途中、誤って麻雀牌を落としてしまう。慌てて拾う紅一の前に一人の美少女が現れた。彼女は麻雀牌を拾うのを手伝った後、こう言った。「麻雀できるの?」

雀荘に勤めているという彼女の名は、七瀬みどり。くしくも彼と同じ高校に通う同級生だった。

かくして紅一はみどりとの出会いを機に、華やかで楽しい麻雀生活を送ることになる。薔薇色の麻雀生活、そして楽しい高校ライフ――紅一の青春はまだ始まったばかりである。

勝手にジャンキィロードのおすすめポイント

学園ものと麻雀が融合した一風変わった作品。麻雀をやりたくて堪らない紅一と、雀荘で働く美少女みどり、二人の甘酸っぱい恋模様が本作の大きな見所です。

基本的には麻雀メインでストーリーは進んでいきますが、主人公とヒロインは高校生なので、学園ものでは定番のイベントも描かれています。

また、本作はラブコメ漫画として名高い「きまぐれ☆オレンジロード」のパロディでもあります。絵柄も近いものになっており、麻雀版「きまぐれ☆オレンジロード」といった感じでしょう。

他にも麻雀漫画のパロディネタが仕込まれていたりと、知っていればニヤリとできる小ネタに溢れています。

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OPEN SESAME

OPEN SESAME

書誌情報

  • タイトル:OPEN SESAME
  • 著者:河方かおる
  • 初版発行:2001年3月
  • ISBN:978-4063129564

OPEN SESAMEのあらすじ

主人公の壇上大和は、東海地区で開催されたボクシング新人王戦で優勝するほどの腕前の持ち主だった。

家庭の事情で故郷の波島を離れ東京へ引っ越すことになり、幼馴染の葵とも離れ離れになってしまう。そんな彼が転向したのは、男女比率1:9の麻布学院高校だった。

この高校では女子が圧倒的な力を誇っている。頂点に君臨するは超美少女の最上槙。槙を頂点とし、その下にはある特定の分野に特化した才能を持つ四天王が居並ぶ。彼女たちを中心として、男子は女子の支配下にあった。

そんな学校の体制が気に入らない大和はただ一人、彼女たちに対抗することを決意する。かくして大和と槙たち女子の対立が始まるのであった。

OPEN SESAMEのおすすめポイント

王道ラブコメ、大和と槙がお互いに対立しながらも徐々に惹かれていくというストーリーになっています。登場キャラクターは女子のほうが多く、主人公の大和はある意味ハーレムの主でもあります。

どの女子も魅力的な人物であり、それぞれ個性も違います。そんな登場人物たちが醸し出す恋愛模様は、見ていてやきもきさせられることでしょう。

もちろん学園ものでもあるため、青春エピソードも盛りだくさんです。

そして、本作はただの恋愛漫画ではありません。なんといっても主人公の過去の記憶が鍵を握っています。大和には失われた記憶があり、物語が進むにつれ、次第にそれらの記憶を取り戻してゆきます。こうした要素はストーリーの根幹に深く関わっており、恋愛部分にも深みをもたらすものになっています。

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