退屈な日常にガツンと衝撃を与えてくれる「ヴァイオレンスアクション」。倦怠感を吹き飛ばすのには最適ですよね。

さて、今回は、殺伐とした雰囲気とヴァイオレンスな描写に胸がすく、秀作漫画3点をご紹介。

読めば爽快、すっきりできること間違いなしですよ。

天獄の島

天獄の島

書誌情報

  • タイトル:天獄の島
  • 著者:落合裕介
  • 初版発行:2009年
  • ISBN:978-4537125122

天獄の島のあらすじ

近未来の日本では死刑制度が廃止され、代わりに島流しを採用していた。

犯罪者たちは島流しにより、天獄島と呼ばれる孤島へ流される。そんな中、戦場ジャーナリストの御子柴鋭は家族を殺した犯罪者を追うべく、自らも殺人の罪を犯した。御子柴は島流しの刑を宣告され、思惑通り天獄島へとたどり着いたのだった。

しかし、島に足を踏み入れた御子柴は、その瞬間、正体不明の何者かに襲われる。絶壁の孤島、天獄島、そこは犯罪者たちが生み出したルール渦巻く、殺伐とした世界だった。

天獄の島のおすすめポイント

サバイバルミステリーと銘打たれていますが、どちらかといえば退廃的な空気感で進む暴力的要素の多い漫画です。

犯罪者たちが暮らす島田からこその独自のルールと、それに立ち向かう主人の冷静さが独特の雰囲気を醸し出しています。殺伐とした世界観が好きな人には堪らない漫画だと言えます。

もちろん本作はただのサバイバル漫画ではありません。天獄島にまつわる謎や主人公の過去など、いくつもの謎が散りばめられています。先が気になる漫画、それが天獄の島です。

天獄の島を読む

 

流れ星ビリー

流れ星ビリー

書誌情報

  • タイトル:流れ星ビリー
  • 著者:久松文雄
  • 初版発行:1962年

流れ星ビリーのあらすじ

銃と暴力が支配する無法者の町、アビリーン。駅馬車に乗りその町に向かうのは、まだ少年のようにすら見える、保安官ビリーだった。

しかしビリーは襲ってきた駅馬車強盗に反撃もできず倒され、町についてからもワルたちに嘲られ、馬も乗りこなせずと醜態をさらし続ける。頼りにならない保安官だ、ここではすぐに死ぬだろうと、町人たちからは見られるようになっていた。

しかし、実はビリーは目にも止まらぬほどの早撃ちの使い手で、相手の警戒を避けるために力を隠していたのだった。

流れ星ビリーのおすすめポイント

明快なストーリーとスピーディなアクションで、西部劇の面白さをあますところなく描写しています。

絵柄もまたシンプルですが、それがかえってテンポの良さと迫力を生み出しており、ずっと昔に西部劇を観た時のように、少年保安官ビリーに歓声を送りたい気持ちになってきます。

めくるめく展開、勧善懲悪の基本的な構造……。エンタメの真髄が詰まったような本作は、和製西部劇の名作を目にすることは少ない昨今だからこそ、読んでおきたい作品と言えるでしょう。

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霧島嵐児

霧島嵐児

書誌情報

  • タイトル:霧島嵐児
  • 著者:かざま悦二
  • 初版発行:2014年
  • ISBN:978-4537131482

霧島嵐児のあらすじ

ヤクザ者の霧島嵐児は、兄貴分である白洲を心底慕っていた。頭脳も度胸も素晴らしい彼なら、後々組を引っ張っていけると確信していたが、白洲は敵対組織の襲撃を受けて射殺されてしまう。

仇討ちを誓った嵐児は単身乗り込み敵を仕留めていくが、車に乗り追跡していたところ、トラックに衝突してしまう。

目が覚めた嵐児が見たのは、時代がかった服装をした人々だった。映画の撮影かとも思ったが、彼らが持っているのは真剣であり、嵐児は追っ手をまきつつ、自分が江戸時代にタイムスリップしてしまったことを知るのだった。

霧島嵐児のおすすめポイント

窮地に立たされた主人公がトラックにぶつかり、という、典型的なほどの「転生もの」のストーリーですが、超武闘派の嵐児なのでまったくためらわず拳銃を使いこなしたりと、覚悟が完全に「仕上がっている」のが斬新です。

嵐児は場数の踏み方も尋常ではないので、太平の江戸時代の人々よりもむしろ殺伐さのレベルが高く、現代武器の強力さもあいまって、「戦国自衛隊」を思わせる痛快な娯楽作に仕上がっていると感じました。

タフでハードな転生エンタメ作品を読みたい方におすすめです。

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