並みいる名作が続々と実写化されるなど、大きな盛り上がりを見せる「グルメ漫画」の世界。

当記事では、クレイジーで読めるグルメ漫画のうち、特におすすめのものをご紹介します。

グルメ漫画は食傷気味という方も、新規開拓を考えている方も、この記事を読めば、隠れた名作に出会えるかもしれませんよ?

 

パスタの王国

パスタの王国

書誌情報

  • タイトル:パスタの王国
  • 著者:中祥人
  • 初版発行:2010年2月18日
  • ISBN:978-4537125665

 

パスタの王国のあらすじ


本場イタリアでパスタ作りの修行を積んだ若者、ケン
帰国して久しぶりにふるさとへ帰る彼の目には、昔とまったく同じようにナポリタンを作る父の姿が、時代遅れなもののように見えた。

 

しかし、茹で置きの父のナポリタンが大好評な一方で、自分の本場流パスタは子供の舌には合わないなど、改めて父の偉大さを知る。

 

そんな父親からのエールを受けたケンは、本場の修行を存分に活かした、自分ならではのパスタを作り上げていくのだった。

 

パスタの王国のおすすめポイント

一口に「パスタ」と言っても様々な形がありますが、本作はそのどれも評価を「下げて」いないのが嬉しいです。

 

圧倒的技術力で「古臭い」スパゲティーを打倒するような、あるいは伝統が一番といった展開にはならずに、それぞれの違いを描いた上で良さを提示してくれているので、読み手の嗜好にも嬉しいものがあると言えます。

 

新しい世界を知るべく家を出たケンと父親の仲も非常に良好でギスギスしていないので、読んでいて妙に殺伐な気分になることもないし、とにかく幸せな気分で、色々なパスタを「味わえる」良作だと思いました。

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喰いしん坊!

喰いしん坊!

書誌情報

  • タイトル:喰いしん坊!
  • 著者:土山しげる
  • 初版発行:2005年3月18日
  • ISBN:978-4537103878

 

喰いしん坊!のあらすじ

グルメに給料の大半をつぎ込む主人公・大原満太郎。

給料日前の彼はカツ丼の大食いに挑戦する。 結果は失敗に終わるが、そこでプロフードファイター・ハンター錠二と運命的な出会いを果たす。

 

最初はフードファイトを馬鹿にしていた満太郎だが、次第に大食いの奥深さに惹かれていき、プロのフードファイターを目指すようになる。

 

そんなある日、仙台でハンバーガーの大食い大会が開催される。 錠二が所属する丹下フードファイター・熊田の大会棄権により、満太郎は代打で出場する機会を得るが……。 大会も近くなり最終調整に入る満太郎だが、背後から刻一刻と魔の手が忍び寄る。

 

喰いしん坊!のおすすめポイント

この作品では世界的に大食いがプロスポーツ化しており、日本では東と西の2リーグ制になっています。

 

関東の丹下フードファイターでは、礼儀作法を重んじ、いかに美味しく食べるか、綺麗に食べるかを追及しています。 対する関西の大阪食い倒れフードファイターは、勝つためならどんなに汚い食べ方でも手段を選びません。

 

作中では、満太郎がステーキをサイコロ状に切り分け、あらかじめ熱を冷ましたり、鉄板でライスを焼き飯にするなど、食への様々な工夫が見てとれます。 読めば思わずマネしたくなるような料理も多々あり、グルメ好き必見です。

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丼なモンダイ!

丼なモンダイ!

書誌情報

  • タイトル:丼なモンダイ!
  • 原作・作画:花形怜・吉開寛二
  • 初版発行:2010年5月1日
  • ISBN:978‐4537125856

丼なモンダイ!のあらすじ

農林水産省職員の米野国崇は「米消費向上対策センター」なる新設部署に異動となる。それは普通の飲食店そのもので、周囲は同業店に囲まれた場所であり新人女性職員・及川栞との二人だけの職場となった。

 

ネガティブ志向な栞は途方に暮れるばかりだが、米野はそんな栞をさし置いてきびきびと働き出す。 米野が最初に作ったのは牛丼。その旨さに栞は驚嘆するが、そんな彼女の姿に米野は幼き頃の妹を重ねるのだった。

 

競合店ひしめく中、赤字を出さないことを最低条件に課された米野と栞。体よく左遷させられた落ちこぼれ職員とルーキー女性職員の奮闘が始まった。しかし、最初はすぐ閉店だろうと目されていた二人の店はやがて・・・。

 

丼なモンダイ!のおすすめポイント

丼を作るにあたって役立つことが多く盛り込まれているのが一つ目のポイントです。それらは一般家庭でも使えるノウハウもあります。例えば鰻丼は、スーパーで仕入れた鰻の蒲焼を専門店の焼きたてのように温めなおすにはちょっとした工夫だけでOKです。ご飯を軽視しない米野のちょっとの工夫で更においしい鰻丼になります。

 

もう一つのポイントは主人公の一人である米野です。亡き父は名料理人で、自身も昔は料理人を目指していました。自分が作った料理を美味しく食べていた幼き頃の妹の笑顔が忘れられず、栞にそれを重ねていると見られるシーンもあります。

 

物語の中盤で人気丼の一つであるカツ丼の回が出ますが、店が順調になってきたのに未だカツ丼をメニューしなかった理由が語られます。それは米野が父を尊敬しているという、米野がプロであることを知れる重要なエピソードでしょう。 家族や仲間との人情話も交えた心温まる作品です。

丼なモンダイ!

絶品!名古屋メシ 美味しい名古屋を食べに行こまい

絶品!名古屋メシ 美味しい名古屋を食べに行こまい

書誌情報

  • タイトル:絶品!名古屋メシ 美味しい名古屋を食べに行こまい
  • 著者:榊こつぶ
  • 初版発行:2010年11月27日
  • ISBN:978-4537126730

 

絶品!名古屋メシ 美味しい名古屋を食べに行こまいのあらすじ

名古屋メシを紹介するコミックエッセイ。

名古屋人にとっては馴染み深いスガキヤのラーメン、ひつまぶし、台湾ラーメン、味噌カツ、味噌煮込みうどんなどなど、読みながら思わず「わかるわかる!それやるよね!!」と声に出してしまうものが多数登場する。

 

他県の方にとっては、「名古屋メシ」は不思議な食世界かもしれない。 手羽先に食べ方があることや、 味噌煮込みうどんにゴハンが必須であることなど、 これを読めば、今まで知らなかった未知なる食文化を追体験できる。

 

絶品!名古屋メシ 美味しい名古屋を食べに行こまいのおすすめポイント

最初から最後まで名古屋メシ! スガキヤから喫茶マウンテンまで、有名な名古屋めしを噂話やお勧めの食べ方などを面白おかしく紹介してくれています。

 

名古屋人でも、意外に知らなかった事も紹介されているので馴染みのある料理も読むと新しい発見があります。

 

絵も料理の特徴をキチンと表現されているので、実際に見たことがない方でもどんな料理なのか想像できます。なにより作者が本当に美味しそうに食べているので、思わず食べたいなぁと呟いてしまいます。

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グルメ探偵りょうじ

グルメ探偵りょうじ

書誌情報

  • タイトル:グルメ探偵りょうじ
  • 著者:加藤唯史
  • 初版:2009年12月28日
  • ISBN:978-4537125498

 

グルメ探偵りょうじのあらすじ

浮気調査などを日常的にこなしている探偵、連城りょうじ。しかし彼には素人離れした料理の腕と舌の確かさがあった。

 

かといって、普段から美食を気取るわけでもなく、本音を隠さない性格もあり、行く先々でいさかいを起こし、料理の腕を披露することになっていく連城りょうじ。

 

連城りょうじは気ままな性格だが、性格とは裏腹にどうしても許せない相手が一人いる、実の父親の外川である。彼は「十川」という超名店の主人で、日本一の料理人とさえいわれていたが、りょうじにとっては、まったく自分の母をかえりみない最低の父親でしかなかった。

 

恨みを抱える連城だったが、探偵業の調査の途中で、外川と鉢合わせてしまい……。

グルメ探偵りょうじのおすすめポイント

色々なグルメ漫画がある中で、本業が料理人でもないのに、料理の腕を「披露してしまう」タイプの作品は珍しく、新鮮味を持って読むことができました。

 

作中に登場するのも家庭料理ばかりで、読者にとって味がすぐに想像できるのも嬉しいところでしょう。定番メニューだけに再現も比較的容易に思えることも魅力です。

 

また、単に父親と対決するにとどまらず、連城が作り周りを驚かせる料理の根本も「おふくろの味」から来ていたりするなど、深くて胸に染みる展開が多い事も面白いところです。

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